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「Take It Easy」が座右の銘な管理人の感想雑記。
Posted by - 2024.04.20,Sat
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Posted by YoGAN - 2010.03.22,Mon
 http://dengekibunko.dengeki.com/archive_bunko/bunko1002.php#new4
 著:支倉凍砂 イラスト:文倉 十

 旅のゴール、ヨイツを目前にしての一波乱。行商路に戻らなくてはいけない時間的な制約と、持ちかけられた商談を断れば、ヨイツが窮地に陥るかもしれない不安。さらにはホロの旧知と思われる傭兵団の存在など、物語が終盤に近づくほど、高まっていくロレンスへの仕打w
 最後は笑って別れよう、という二人の誓いが果たされる日が来てしまう。そんな寂寥感が募る展開に放つ、ロレンス逆襲の一手の光明。ロレンスが極限まで追い込まれて、それでも二人の旅を完結したいとする強い願いが、なにより印象に残りますね。ホロの手を借りずに完成されるのも、面目躍如といったところか。そうして男を見せたロレンスが、ホロに迫り――というオチもまた、ニヤニヤさせられてしまう一冊なのでした。
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Posted by YoGAN - 2010.03.07,Sun
 http://dengekibunko.dengeki.com/new/bunko1002.php#new1
 著:田名部宗司 イラスト:椋本夏夜

 電撃大賞作を読むのは久々。幕末の動乱に魔法使いがいたら…?というシチュエーションに食いついてしまったわけですが、シンプルながらも練り込まれた設定ですね。明治維新はメイジが起こした―ダジャレから始まったと、あとがきにありますが、剣術と魔法のバトルは大変に見応えがあり、BASTARD!の読み切りを初めて読んだときが思い出されます。終盤のどんでん返しもお約束で、シンプルイズベストを地で行く物語も潔い。
 男装の少女と魔人の少年が、それぞれ背負わされた運命に立ち向かう王道っぷりもいいし、清々しいまでのボーイ・ミーツ・ガールが、これまたよし。伊織が自分に掛けた男に見える幻術は、冬馬(魔眼持ち)にしか見破れない。伊織を女性として見られるのは冬馬だけ、というのもおもしろい設定だなぁ。まだまだ拡げる余地は充分にある作品なので、実在の人物を交えながら、クセのある魔法士も出てきてほしいものです。
 
Posted by YoGAN - 2010.02.23,Tue
 http://www.mediafactory.co.jp/c000051/archives/023/000/23058.html
 著:冲方丁 イラスト:山本ヤマト

 冲方さんはアニメーションの原案や構成として、何本かの作品でお目に掛かり、どれも魅せられたものですが、テキストは意外にも初めて。どんな持ち味なのか、ドキドキしながらページをめくってみましたが、意外なほどスムース。無駄のない情景描写と、的確な心理描写は、大変にリズムよく読みこなせていけますが、(敢えてそうしているのか)ト書きと台詞が脚本っぽい印象です。できれば他の作品もこれから読んでいきたいところ。

 物語は「創造の書」の断片であるカルドの使い手、セプターの少年リュロンが、少女アーティの護衛任務につき、黒のセプターとの戦いを繰り広げていくもの。王道をいくボーイ・ミーツ・ガールな上、リュロンはかつて黒のセプターに滅ぼされた国の王族であり、アーティは英雄の娘として生まれながら、セプターの能力がない(そのことを隠してカルドを学ぶ学院で生活している)。二人が抱えた疵・嘘を絶妙なタッチで揺さぶり、終盤、黒のセプターとの決戦において、アーティの才能が開花する(それもリュロンの過去とも繋がる)展開は、ダイの大冒険のバーン城突入時を思わせるカタルシスがありました。冲方作品のアニメで何度となく味わった感覚が甦ってきますね。
 1巻のラストでリュロンが斬首刑に処された時のスリルや、黒のセプターによる仕掛けのミステリ要素など、エンタメ性も高く、一気読みでした。

 セプターの戦いにおける、「領土」と「通行料」の仕組みも大変におもしろい。カルドから呼び出したクリーチャーをエリアに配置することで、「領地」を作り、そこを通る人間から魔力という「通行料」を奪う。また、セプター同士の戦いにおいては、領土戦の側面が強く、自らが領土の繋がり・連鎖を気付くことで魔力を強化し、また相手が築いた連鎖を断っていく。戦術性の高い召還バトルは、じりじりとテンションを上げ、直接対決を迎えたときの盛り上がりときたら、それはもう。

 カードゲームの要素とボーイ・ミーツ・ガールのファンタジーを合わせた魅力を、余すところなく引き出しているあたりに、冲方丁という作家の力を見た。マルドゥックスクランブルも読みたくなってきたなぁ。
Posted by YoGAN - 2010.02.20,Sat
 http://dengekibunko.dengeki.com/new/bunko1002.php#new5
 著:川原 礫 イラスト:abec
 
  チユリの裏切りという衝撃的なヒキで終えた3巻から、待ちに待った続巻。チユリの治癒能力とハルユキから奪った飛行アビリティにより、怒濤の快進撃をみせる能美。心意システムに対抗すべく、タクムとハルユキが頼みにしたのは、赤の王ニコだった―。
  物語の加速感は変わらぬどころか、益々持って冴えをみせてきますね。黒雪姫不在の間の、ハルユキのひたむきな想いと(束の間の逢瀬もいい味を出すなぁ)、チユリが離反した理由、マッチングリストの謎。熱いバトルとミステリー要素を並立させつつ、ブレイン・バーストというシステムにどう向き合っていくのか。バースト・リンカー達の有り様が問われる会心の一冊でした。
  それにしても先輩の神々しいまでの降臨っぷりには参ったw ここ一番での登場は、ヒロインだけどまさしく白馬の王子。「最強のカタルシスを以てしておくる」の解説文に偽り無しの終盤ですね。心意システムの闇とブレイン・バーストの真実が描かれますが、それは本作全体へと連なる布石となるか。
  ラストシーンの綺麗さがまた川原礫という作家の持ち味なのか、ハルユキ視点の情景が目に浮かびます。…あとパドさんとの一部始終を、黒雪姫先輩にバレたらどうなるのか、妄想してしまうなぁw
Posted by YoGAN - 2010.02.07,Sun
 http://www.mediafactory.co.jp/bunkoj/books.php?id=24230
 著:ヤマグチノボル イラスト:兎塚エイジ

 ゼロ魔も早18巻。本ストーリーの勢いは横ばいでも、スピンオフの方が右上がりな印象のせいか、少し物足りなさが出てしまったよう。前巻ですり替えられたガリア王妃タバサの大救出作戦かと思いきや、ハルケギニア全土をまきこむ大災害の予兆へ発展。ロマリアの陰謀と思われた様々な策が、全ては民の救済のためだった、という虫の良い話で。滅びを救うためには許されること、という発想が教皇の独善性を見透かす。
 ハルケギニア国家間の争いから、人間VSエルフという軸へのシフトも、物語の運びとしては至極テンポはいいのですが、今までの紛争に思いを馳せると、一本道に絞られるストーリーにはどこか寂しさも。使い魔の刻印を失ったときにサイトが見た、ブリミルの回想がここから活きてきそうですね。
 そして、ガリア王の座を退いたタバサがサイト争奪戦へ、本格参戦。悟りを開いたようにみえたルイズも、やっぱりいつものルイズで(自分と属性が被るタバサは何より許せないあたりいいw)、シエスタを交えた三つ巴の戦いもまだまだ熱を帯びていそうです。
Posted by YoGAN - 2010.01.08,Fri
 著:今野緒雪 イラスト:ひびき玲音
 祐巳達と同時期の生徒を描いた外伝ですが、姉妹とも同級生とも異なる新たな関係を、まだ出してこられる引き出しの広さに驚きです。主人公は瞳子のクラスメイトで、その上級生に友達感覚の大叔母がいるという奇妙な関係。序盤に家系図が出ますけど、百と環の関係に笑ってしまったw
 副題にある通り、物語が学園よりも家に拠っているあたりも、今までにない感覚ですね。奇妙な縁で一つ屋根の下に暮らすことになった二人だけど、最後まで姉妹にはならない展開が、なにより良かった。二人の関係は今の距離でいるのが一番いいんだろうね。最後にあった爺さんたちのエピソードも実に微笑ましいw
Posted by YoGAN - 2009.12.12,Sat
 著:新井円侍 イラスト:mebae

 墓地を舞台にしたボーイ・ミーツ・ガール物語。穴掘り労役を課せられた主人公ムオルが、墓守を名乗る少女メリアに惹かれていく過程や、ザ・ダークを屠る手段の真実。昼間にだけ現われる謎の少年といった感じで、ホラー・ミステリ要素がバランスよく、謎解きのスリルとロマンスを楽しめました。
 主人公の職業が穴掘りというのが地味ながらインパクトありますね。汗や匂いなど、作品全体を通したモノの質感というか肉感の描写が生々しくていい。墓地という舞台、死体という小道具を使う上で、絶妙な表現力を感じますね。
 そしてムオルが目的を達せられるか否かの終盤、どんでん返しのカタルシス。ザ・ダークの設定を曖昧にした(人類の脅威として一般化した)まま、物語を進める判断も良かったです。
 少々薄味というか、カメラが一歩引いて捉えているゆえの物足りなさもおぼえましたが(これは好き嫌いなんだでしょうが)、読み始めたら最後までいける一冊でした。ただ、ハルヒ以来の大賞受賞作、という煽り文は無粋だったなぁ…。
Posted by YoGAN - 2009.12.10,Thu
 著:川原 礫 イラスト:abec

 キリト先生のロマンティックが止まらない!
 生死を賭けたアインクラッドの攻略(1巻)と、その外伝(2巻)を経て刊行された待望の3巻は、キリト達が現実世界で目覚めた後のエピソード。SAOのプレイヤーは解放されたはずなのに、キリトが再会を待ち望んだアスナは目覚めずにいた――。

 脱出不可能と思われたデス・ゲームの攻略は、究極のゴールと思うんですが、そこからさらに物語を展開させ、新たなMMORPGへ踏み込んでいく筆運びは、さすがという他ないですね。
 人間関係では恋敵の登場、引き裂かれた恋人達の切ない想い、互いに相手が兄妹と気付かないパーティプレイ(交代ログアウトのシーンはニヤニヤが止まらなかったw)と、てんこ盛り。特に義妹・直葉への力の入れようときたら、どうですか。義妹事実発覚後の心象描写は、お兄ちゃん好き好きモノローグの怒濤で(リアルでは義兄に恋し、ゲームでは本人と知らずにキリトに惹かれる二重構成も素晴らしい)、イラストでは「着替え」に「シャワーシーン」コンボという、実にけしからん贔屓っぷり。そんな妹に加えて、パパと呼んでくれる妖精さんや、二種族の領主からアプローチをかけられるキリトさんのモテスキルは、止まる処を知らない…。

 ゲーム要素においても、魔法・飛翔、二つの設定が追加され、エンタメの幅も大きく拡がりました。ALOでは新参のキリトだけど、SAOでの経験を活かせるアドバンテージもあって、初っ端から爽快この上ないバトルも展開です。ラストの一騎打ちで二刀流が炸裂したときのカタルシスときたら…!
 種族間の対立・同盟も一つのキーになっているようで、アスナとの再会に向けて盛り上がりも必至。早く続き読みてー、と余韻に浸り始めてページを捲ると、そこはアクセル・ワールド4の予告があるわけで…。悶々とさせられるばかりです。
Posted by YoGAN - 2009.12.05,Sat
 http://gagaga-lululu.jp/gagaga/newrelease/index.html#04
 著:賀東招二 イラスト:村田蓮爾

 民族衣装の少女とスーツ姿の中年が並ぶ、村田画に惹かれて手に取った一冊。表紙のギャップからして興味深かったですが(なんのコラボレーションかと思った)、異世界モノとして一味違う作風を堪能しました。
  剣と魔法が存在する異世界とゲートで繋がってしまった現代。ゲート間近の都市で発生した事件の捜査に、敏腕刑事ケイと見習い騎士ティラナとの凸凹コンビがあたる。異世界モノであり、相棒モノのポリス・アクションでもある設定の美味しさを、余すところなく料理しています。
  一応の和平と、人・モノ・金の行き来があり、双方の世界で新たな価値観が生まれることによる、物欲的な裏社会の描写がリアルでいい。異世界との交流ができたら、こんな風になるのかな?という奇妙なリアリティに共感できるので、風習や社会常識の違いで衝突しながら、犯罪者を追う二人の捜査が殊の外おもしろい。テンポのいい刑事ドラマを見ているような錯覚をおぼえます。衝突しながら次第に相手を認めるように…という定番の流れだけど、二人の距離感もいいですね。ティラナの幼さと頑なさは、どこかラフィールを思い起こさせますw ビジュアル的には切嗣とセイバーにも見えますが。
  今後もシリーズが続きそうな気配なので、大いに期待したいですが、巻末の訳者あとがきが一番のサプライズでした。くそうw
Posted by YoGAN - 2009.12.01,Tue
 http://dengekibunko.dengeki.com/new/bunko0911.php#new2
 著:支倉凍砂 イラスト:文倉 十

 サイドストーリーをまとめた外伝も3冊目。狼と香辛料ワールドも随分な拡がりをもつ作品になってきましたね。本巻の特徴はズバリ「後日談」。ホロとロレンスについては、桃の蜂蜜付けエピソードがあり、羊使いノーラのその後を描いた中編ありで、スパイシーウルフファンにとっては、痒いところに手が届く一冊になったと思います。
 ホロとロレンスのエピソードでは、本編以外で商いに精を出す(それも二人の共同作業で)様子が大変に睦まじく、魔よけエピソードの最後などは、本シリーズにおいてベストニヤニヤでは…!?というくらいはにかんでしまった。くそうw
 ノーラの中編は、エネクの一人(犬)称視点の絶妙ですね。「我が輩は犬である」地の文によって、本人に華のないノーラのエピソードを、敢えてモノクロ風に彩った。その判断や良し。そして、牧羊犬・忠犬として高い誇りを持ちながら、犬としての本能には逆らえないエノク萌え。
 メインストーリーより、再度エピソードの方が楽しくなってしまうのは、ロングシリーズの常ですが、本筋の盛り上がりにも期待したい…。
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