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「Take It Easy」が座右の銘な管理人の感想雑記。
Posted by - 2024.04.27,Sat
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Posted by YoGAN - 2012.11.26,Mon
 http://kapselheidan.com/karakuricircus/circus/top.html

 11/18の昼公演をみてきました。
 前回のからくり編を経て、さて一大スペクタクルロマンをどうまとめるか期待に胸膨らませての観劇でしたが、3時間半の長丁場だったとは思えないほど、中身のある舞台でした。

 物語構成は、まさに潔し!と言える、「対真夜中のサーカス決戦」「仲町サーカス編」「勝の修行エピソード」のくだりは、ほぼ全カット。それでも大幅な回想や必要な伏線はきちんと回収してあり、終盤へ盛り上がる勢いとカーテンコールでの感動は、原作を読んだときのそれに勝るとも劣らないもの。

 オープニングは正二とアンジェリーナの出会いに始まり、勝が自らのルーツを求めた先で、正二の過去の回想、真ラスボスの登場、エレオノール奪還戦、ロケット打上、衛星での最終戦と流れますが、ほとんど淀みなく流れていきますね。

 各場面での見せ場もたっぷりで、回想編フランシーヌの「べろべろばぁ」には思わず涙腺が熱くなった。バレエ風のダンスで魅せるあのシーンはマジ反則。逆にフェイスレスがその本性を明かす瞬間、反転する世界の感覚には背筋が寒くなると同時に、既読組には最高のカタルシスがくるシーンでもありました。

 脇役でピカイチの存在感だったギィは、「(赤ん坊の)エレオノールかわいいよぉぉおおおお!!!」というリアルゴロゴロで盛大に笑わせてくれ、ママンを思いながら散る最後のせつなさも格別。

 もう一人(一体?)の脇役、あるるかんもアクションがキレキレでしたが、中盤の集合掛けはやっぱり反則w 大勢の自動人形相手に殺陣を見せる場面で、「はいちょっと待って、全員集合」とモブエキストラを並べ始めるあるるかん(人形)。
 並べてみると、自動人形のエキストラが全て仮面ライダーのマスクをしているという事態w 近くにいたエキストラを呼び寄せて問い詰め始める、あるるかん役の岩田栄慶さん。

「仮面ライダーだよね?」
「違います」
「いやいや仮面ライダーでしょ」
「違います」
 スパーン!<マジビンタ
「はい、仮面ライダーです」

 なんだこのコントw エレオノールの傀儡も完全にシカトで、「立場上(スーツアクター)、仮面ライダーは倒せない」と言っちゃうのだから、笑いが止まらないw

 この日一番の爆笑といえば、カピタン・グラッツィアーノ役、小川輝晃さん。
 最初の登場からはけるときでも、「最後に一つだけ言っておこう!この上演がかなり押しており、夜公演とのインターバルが1時間しかないけど、アンケートはよろしく!」と、攻めっ気ありありの状態。

 そして小川輝晃さんのおそらくはアドリブだったろう、必殺技がマジ最強すぎたw
 ジャコーを駆る勝を相手に、「カピタン・グラッツィアーノの必殺技を見せてやろう!」といって、袖に下がる小川さん…そのまま帰ってこない?

 舞台に二人残された勝とジャコの役者さんは、「おいどうしたんだよ…!」と、オロオロするばかりで、はて一体なにが起きているのかな?と思った頃に再登場するカピタン。
「どうだ、この緊張感!たまらなかったろう!」
放置プレイというものの怖さを、はじめて実感させられたわ、くそうw


 これだけやりたい放題なのに、舞台としてはしっかり成立しているのだから不思議ですが、終えてみるとカットによる影響もそこそこあったとも思える次第で、気になったのは、3つかな。

 1つは、リーゼロッテとその猛獣使いの能力。サーカス編からの追加メンバーながら、登場エピソードがないため、パワーマイム演出で幻獣も出たけど、未読で望んだ斬九さんは、誰で何やる人かサッパリだった模様w
 2つ目は、フェイスレスがその正体を現す場面。「三解のフェイスレス」と名乗りながらも、「分解」「溶解」の後、肝心の正体バレの決定打となる「理解(自動人形が造物主であると理解する)」が描かれなかったのは、欠落部として実に惜しまれる。
 そして3つ目、真夜中のサーカスとの死闘がカットなので、鳴海がそこで背負ったもの、自動人形への深い憎しみが、やはり描ききれずに話が進んでしまうのは惜しい。

 サハラの最終決選や仲町サーカス編を取り入れた三部作にしてもよかったのかな…などと、贅沢に思いをはせるのも良い舞台をみた余韻に浸れるからこそか。


 ジョージ・ラローシュ、コロンビーヌ、アルレッキーノ、パンタローネの最後、終盤の盛り上がりは素晴らしいことこの上なく、鳴海と勝が互いを見ずに背中合わせで戦う場面の演出は全く持って見事。それぞれがソロで舞台に立ち、相手の存在を伝える殺陣と芝居が絶妙でしたね。

 尻が痛くなる長い舞台でしたが、帰りに夕食を食べつつ、あーだこーだと感想を言い合うのは、本当に楽しいなぁ。



 前日の土曜日には原作者の藤田和日郎先生も観劇にいらしていたようですね。
http://yaplog.jp/saikindekigoto/archive/2655
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Posted by YoGAN - 2012.05.03,Thu
 10K以上のチケ代を出して、地雷であろうとも思い切り踏んでやろう的な気持ちで望んだのですが、意外や意外。真っ当にもナナメにもクオリティの高い舞台でした。

 ストーリーはアスターテ会戦からアムリッツァ出陣直前まで。

 冒頭、野戦服のポンチョみたいな衣装のダンサーズがひとしきり舞った後に、ジェダイばりのフードを被った謎の宗主が登場(最初は地球教の司教かと思った)。出たと思ったらおもむろにポックリ逝かれる宗主、そして嘆き悲しみに暮れるダンサーズ。
 そこへ颯爽と登場するやっぱり謎の男が口にしたのは、「Hey Yo!友の死を悲しんでいるだけじゃなにも始まらないぜチェケラッチョ!」な…ラップ!? ノリノリのラッパーが舞台でハジケまくっている様子を眺めながら、
「…アレ? 今日は銀河英雄伝説の舞台を見に来たんだよね?」
入った劇場を間違えたかという展開に、横にいたろーさんと二人して笑いをこらえるのに必死www
 始まって早々のインパクトに「これはwwwww特大の地雷wwwww」と、違う意味でチケ代分は楽しめそうで、ろーさんと二人してニヤリ…!


 帝国編と違ってアスターテ会戦は時間を掛けてじっくり進めていました。というか親友のラップがここで退場なので、しっかり描かないと後の展開に障りがあります。
 そのせいもあってか、用兵の演出がすごく練りこまれていました。アニメ版にある戦列の進行図がうしろに映し出されたり、戦況を伝えるスクリーン演出も、細やかに投影。
 …ただ、そこに出る文字がナメック語みたいになってたのは何だったのかwww 砲撃を受けたシーンでは「EMERGENCY!」てモロ英語出てんのに、なんで他は象形文字なんすかとw

 会戦中盤、スパルタニアン出撃後の空戦演出も、なかなか巧さと笑いが同居する発想。
 緞帳がかかる位置(舞台最前面)に全面透過スクリーンが降りて、ド派手な空戦アニメーション映像を写し、その奥の舞台上では、ポプラン達が帝国軍人相手にパンチ!キック!の大立ち回りという手法。アニメ映像がかなり手が込んでいただけに、うしろで必死に殺陣をこなす役者とのギャップがツボにくるw ポプランは思いっきり回し蹴りかましてますけど、それはビームなんすねwwwと
 でも、これはこれで全然アリ。帝国編の「誰が一番かっこいいファイエルポーズを決めるか」大会に比べても、ずっと考えられていたし、演出意図が伝わってきます。

 アスターテ会戦の戦没者慰労式典では、ジェシカが観客席のド真ん中から登場するので、その瞬間、観客は式典参加者のエキストラに早変わりという仕掛け。
 イゼルローン要塞のトールハンマー演出も、透過スクリーンで発射シークエンスのアニメパート上映後に、照明を会場に照射して魅せるし(観客席を薙ぎ払う構図だったので、観客は壊滅する駐留艦隊気分を味わえたwww貴重www)、銀英伝らしさを舞台で伝えるため、いろんなアイデアが溢れていました。


 そんな演出の工夫に後押しされる役者陣の演技やアドリブも上々。配役決まった瞬間のコレジャナイ感はどこへやら、河村ヤンは富山敬のイメージを踏襲したようで、声色もかなり似ていました。その上で舞台版なりの違いも出していて(アニメ版の達観しすぎな感じがなくて)、等身大で人間味が出ていた印象ですね。

 そんなヤンとラップ、ジェシカの三角関係が、物語の端々で回想として挿入されていくので、ラップを失った後の二人の関係の変化、違えていく道筋の軌跡がくっきりと描かれていきます。
 舞台は、上下二段の舞台を、大きなスロープが2本、八の字になって繋がる形状なのですが、またこの分かたれる2本の道を、巧いこと使ってくれるんですよね。ラップとヤンがアスターテ会戦へ出撃するときの回想で、二人がそれぞれ別のスロープを進むのがせつねえ。
 ラップは序盤で戦死するので、過去の回想としての出番と、ヤンの内包するイメージとして出る幻像の2パターンで登場するんですが(「シュート!」の久保先輩に近い扱いかな)、前者は普通に会話し、後者はセリフのないのも住み分けがよく出ていたなぁ。


 憂国騎士団がMELL様in BUDOKANのダンサーばりに変な踊りしてるのもヤバイwwwこれはリアルに変態w 河村ヤンが「最近は…ああいう踊りが流行っているのか…?」なんて言うもんだから余計にwwwwくっそwwww
 他にも西岡さんもアドリブでやらかしてくれました。
 シトレー「君(ヤン)は…30才だったかな」
 ヤン「29才です!」
 シトレー「42のような(河村の実年齢)顔つきだが…」


 そんなシトレー元帥は、軍事面でのヤンの相方として、堂々たる存在感を出していました。機能しない政治に忸怩たる思いを抱えつつ軍のトップとして踏みとどまらねばならない。そのためにヤンに無理難題を与えねばならない自分の立場の欺瞞も抱えている。師匠と弟子のような関係性が色濃く、その思いを共有している様子が絶妙でした。

 プライベートでは、ラップ、ジェシカを交えた三角関係がひとつの区切りを迎え、アムリッツァの大軍事侵攻前には、反戦派の政治家と救国の英雄として明確な一線が引かれてしまう。軍の内部では、主戦派と慎重派で割れ…と、二重に三重に板ばさみになるヤンの葛藤を描ききったところで幕。
 最後は出演者全員による主題歌の合唱で謎の感動www

 帝国編の相対として、同盟編も内乱までやるかと思ったんですが、意外なところで終わりましたね。これは続きが見たいなぁ。


 余談ですが個人的にコレは見たい!と願っていた、ウィンザー夫人の「まあ綺麗ごとを…オホホホ」や、フォーク准将の「高度な柔軟性を維持しつつ臨機応変に(ry」が、期待通りにあったのも、スタッフさん達、よくわかってる!
Posted by YoGAN - 2012.02.19,Sun
  

 http://kapselheidan.com/
 2月12日、昼の回を見てきました。

 原作者の藤田先生と小学館公認の上演とのことで、要となるセリフやストーリー展開はもちろん、ギミックや衣装の作りこみからも、作品への愛とリスペクトが感じられますね。 中でも最古の四人、特にパンタローネのクオリティ高すぎwww

 脚本のバランスも良かったです。鳴海、勝、エレオノール3人の出会いから、真夜中のサーカスとの決戦までの話(原作にして22巻分)を、2時間半によく納められたもんです。軸になる話以外の削ぎ落としが絶妙でした(合間のサーカス編は全カットなのでリーゼロッテやヴィルマいねえwwww)。

 原作と変えてきたところは、時間軸の推移でこれも妙手。3人の出会いに始まり物語が進むに連れ、回想を交えて過去にオーバーラップする原作に対し、クローグ村での惨劇と勝の父の事故死から、年表通りにスタートする舞台版。後者の進み方は、原作における過去への回帰を追体験できるのがいいですね。観客は、話が進むにつれて、「なるほどあのシーンはこういうことだったのね」と冒頭の幕間劇へ、回帰することができるからくりだ。過去編といえば欠かせないフランシーヌのエピソードは、サーカス編で明かしてくれるのでしょう。
 勝の父の事故のシーンは、最初からギイが関与していることを見せているので、原作既読組からするとニヤリ…ときてしまう場面(これもサーカス編での伏線回収が楽しみ)。ギイの「ママン…」のセリフも、その意味を初めから判っていると、全く違う趣があるものだなぁ。
 そして、過不足ない脚本にパワーマイムとアクションを交えた展開となれば、実に熱い。少年漫画らしい冒険活劇感が溢れて、鳴海の腕だけが残る前半のクライマックスなど、舞台らしい照明演出が文字通り光っていました。

 それゆえに惜しいと感じる点もいくつか。自分は既読組なので、原作寄りな感想になっている点はご容赦いただきたく…。

 「からくりサーカス」の舞台化において肝心なのポイントは、「原作の物語自体“それぞれの役者が演じていた”とカーテンコールで演出した点」にあると思うのです。
 何を言いたいかというと、
「人間になりたくて人間を殺す機械人形を演じる人間」
「機械人形を壊すために人間を捨てた人間を演じる人間」
 (実にめんどくさい表記ですが)こんな二重三重のパラドックスを抱えたキャラクターを、現実の舞台において役者が演じる、この構造のおもしろさに尽きるのではないか、ということなのです。

 ただでさえ舞台は、幻想空間と日常の狭間にある役者と観客による共有意識なわけで(テレビや映画のようにスクリーンで分断されていない)、これだけの設定が放り込まれれば、どんだけ美味しい話か。と思えてくるのですよ。
 この点に関する演出意図や解釈の在り方が、期待したほど見出せなかったのが、惜しまれます(あるいは盛大なネタバレになるから抑えていたのか…)。たとえばフウのような狂言回しを引き回せたら、ストーリーと現実の境目を見せられるんじゃないかな。このあたりは、サーカス編で唸ってしまうくらいに堪能させて欲しいですね。
 2/27追記:フウが前説などしたら、開演前からサーカスの雰囲気に引き込まれる感覚になるかな。

 この構造を活かした魅せ方もあり、もっとも分かりやすく体現していたのは、からくり人形“あるるかん”を役者が演じていたところでしょう。
 「機械人形を壊すために人間を捨てた人間が、機械人形と戦うために操るマリオネット」を、これまた人間が演じるという。キャスティング段階ですでにおもしろいところに、このあるるかんが舞台で自立行動をとってしまうのだからたまらない。
 それはしろがねが人形繰りを終えて、スーツケースに戻そうとするシーン。漫画ではスッポリ収納するだけのなんてことない場面。…が、現実では当然サイズが合うはずないので、それでもなんとか入ろうとオロオロする姿にクスクスとくる。
 最後は、開き直って歩いて舞台袖に下がるオチなのですが、スーツケースを抱えて一緒に下がる黒子に「ホント、スイマセンッス…」とリアクションしてしまうのだ。これは最高だった。

 カプセル兵団のお約束であるパロディネタでは、原作者つながりで「獣の槍」が登場。これはやるだろうと思っていたが、分かっていてもツボにくるw そして掟破りの集英社ネタを投入する、攻め気もさすが。相変わらずバカでいいのですが、役者に少しばかり照れが見えたのがもったいない。こういうのは、見る側がヒく間も感じさせず、全力で弾けて欲しいw

 パワーマイムによる演出も、その形にこだわりすぎたというか頼り気味に感じられた。久々のカプセル兵団だったためか、場面転換の多さも気になった。特に白銀がフランシーヌを送るくだり。あそこはそのまま自然に歩き出すだけでよかったのでは…。
 終盤のアクションにおいても、目まぐるしく場面転換するので、物語のスピード感は増していいけど、1シーンあたりのやりとりが薄味になる。リズムもやや単調で、変化やタメを入れたらもっとダイナミックな展開になっただろうか…と贅沢な希望を抱いてしまう。それだけ魅力のある演出なのですよね。

 演技についても、熱く高いテンションは「からくりサーカス」にマッチしますが、ちょっと張りすぎた感が否めない。抑えるべき・引くべきところ(役)が少ないせいか、ギャーギャー騒いでいる感じの芝居に見えてしまう。
 特に阿紫花あたりは、陰のキャラなので、もっと抑え気味にいけば陽の鳴海と対比されて、双方が際立ったんじゃないかな。ギイがそういう立ち位置でしたが、出番が少なかったので…うーむ。
 演技面が脚本やアクションの良さに助けられていたので、あるいはそれゆえに、前述のパワーマイムへの依存が感じられてしまったのかもしれない。

 どうも悪い点にばかり話がいってしまいましたが、舞台としての見応えは有り余るほどで、素晴らしい時間をすごせました(良い舞台だっただけに、影も色濃く見えてしまったところ)。
 見栄えした役者さんでは、コロンビーヌ役、周晴奈さん。声がなんとも色っぽく、艶を司る道化として大変よかった。耳元で囁かれたらさぞたまらないだろう…そんな近くだったら「白い手」で灰も残らず燃やされてしまいそうだが。
 そしてパンタローネ役谷口洋行さんの殺陣も鮮やかでしたね。最古の四人の幹部会的な場面、一人だけマイムをしているのですが、そのダンスにプロレスネタをしきりに投入するクセ者wwwwくっそwwww

 からくり編の影の主役たるルシールも堂々の存在感。一番の見せ場、ドットーレとの鬩ぎあいは、先が判っているのに、なんというカタルシスがあふれるか。
 あるるかん以外のマリオネットの組み方やジョージの神秘の球も、こうきたか!と思わず手を握る表現で、舞台ならではの醍醐味をみせてくれました。

 次のサーカス編には、原作既読の友人がいたら声を掛けて連れ立っていきたいですね。これだけネームバリューのある作品を手がけるにあたり、また数多くの公演をこなしてきた劇団ゆえに、「荒削り」「勢い」以上の「繊細さ」「緻密さ」にも、大きな期待をして11月を迎えたいところ。

Posted by YoGAN - 2011.02.22,Tue
 13日(日)13時の回をみてきました。 3列目という良席で役者さんの表情がはっきり見えましたが、相変わらずクドキモイ、けど憎めない石井さんのスネ毛までそれはもう…。

 前作からちょうど1年を経た上演ですが、物語は1の3ヶ月後。
 地上げによって寂れた商店街のたいやき屋4姉妹が、店を守るためにアイドルになって、お客を呼び戻す展開。そこに前作で成功をおさめたチョコレートガールズの4姉妹も登場し、4姉妹VS4姉妹というライバル関係の構築が、今回の見どころ。
 小山さんの舞台は役者の素性を堂々と取り入れてくるので、そのあたりの背景が分かると非常におもしろいですね。元モー娘の保田さんが地上げ屋相手に振る舞うパンチが、恋愛レボリューション21のフリ付けだったり、中村繪里子さんのトイメンが沼倉愛美で、アイマス内での上下関係を振りかざしたりw
 ストーリー上対決する姉妹という役がありつつ、そこに役者のパーソナリティも飛び出してくる。舞台上での幻想と役者のリアルが、激しく入れ替わり立ち替わるおもしろさは、生で見る芝居ならでは。TVではとんねるずのおかげで、イジられまくった保田さんですが、実際は綺麗な人でしたし、演技も良かったなぁ。

 映像出演の浪川先輩と谷山先輩の競演(饗宴?)も爆笑必至で、ハライタと涙が止まらない。きーやんは以前に舞台出演を見たので、浪川さんも是非生の演技をみたいものです。

 ゲストの腐男塾は他の回を見るとハズレだったか…?という一面もあったのですが、アズキガールズ三女役の浦えりかさんが、腐男塾のメンバーだったので、立ち位置は三女だけど、メンバーとのアイコンタクトで照れまくったりで、舞台的な観点からでは大当たりでした。そのまま腐男塾の曲に入る(あくまで完コピできるファンとして参加する)展開もおもしろい。

 そしてプロデューサー役の演出・小山さん。「エンターテイメント斯くあるべし!」という心意気を、舞台の上で存分に魅せてくれました。目立った登場をしたいだけで、花道の一部を用意した(本当にそれしか使わなかったw)覚悟や、作品を通して一貫したテーマは、胸に熱く響くものでした。

 来年もあったら嬉しいなと思いつつ、KOYA-MAPの新たな物語・可能性も見たいと、贅沢な期待が膨らむ舞台でした。
Posted by YoGAN - 2011.01.16,Sun
 ginei-01.jpg
 ついに舞台化された銀英伝みてきました。
 始まる前から、真っ当な方向にいくのか・斜め上を行かれるのか、ワクワクしながら出かけたのですが、入り口柱にある写真をみて(ロイエンタールは何の技を放つ直前なんだろうwww)、後者なんだろうな…思いつつ入場。

 帝国編とありましたが、物語はアスターテ会戦~リップシュタット戦役の終結まで。同盟との戦い(アムリッツァ会戦)もありますが、完全にラインハルト視点のみという割り切りっぷりは、潔かったです…が、なにを置いても演出のキレが凄すぎました。もうなにからツッコンでよいか。
Posted by YoGAN - 2010.12.13,Mon
 http://akaperaclub.com/
 時は近未来、舞台はテレビドラマの撮影現場。アクトロイドという俳優アンドロイドが、役者に代わって演技し、TVドラマとして放映される時代。撮影現場でひとつの女性型アクトロイドが自我を持ち、演じることや脚本のおもしろさに目覚めながら、彼女の才能に惚れ込んだ作家志望の青年と恋に落ちる。当然そこには常識やモラルの壁があり、二人はどうやって乗り越えていくのか。そんな物語を喜劇的に描いた一作。

 

 ヒロインのアクトロイドを務める客演の下田さん、セリフの多くはアクトロイドがかつて演じてきたときのもので、刑事だったり看護士だったり、様々なキャラクターを演じ分ける技量は流石。カプセル兵団の頃からの成長を大いに感じる力演。相手を務める吉田さんも、初主演のプレッシャーを感じさせぬスマートさで、さらには脇を固める高木さんの渋い演技。いつも通りの顔芸やら、ドタバタアクションでいつも通り腹筋崩壊させられます。
 劇中劇がベースなので脚本の面白さとくに味わい深かったです。序盤でディレクターが演技指導したダブルテイク(ノリツッコミのような反応)を、第二部開始早々に、そのディレクターが示す展開など、ニヤリとさせられます。アクトロイドの感情が高ぶると、勝手に流れる音楽もしてやったりで、怒りの感情に合わせたジョーズのテーマや、ラブシーンでかかるタイタニックのテーマなど、聞けばそれとわかる反応がまた楽しい。ジョーズのテーマに乗せながら、生で顔面パイを見るのもドリフのコントを見るようでした。
 1つの台詞に二つの意味をもたらす、複線の貼り方や構成の妙はさすが戯曲の本場というほかなく、その素晴らしさを余すところなく引き出した俳優陣、舞台を支えたスタッフ陣に改めて喝采を送りたい。

Posted by YoGAN - 2010.08.22,Sun
 http://heroq.com/
  横溝正史シリーズ第二弾、客演も前回の「八つ墓村」と揃えてきたので、トール鉄さんをお誘いしていってきました。平日だったけど大入りですね。今回は5列目と役者の表情をはっきり見られる席でした。

 まず下地となる舞台装置がド迫力で素晴らしかったです。120°ごとに回転してステージが入れ替わるセット、花道のある前進座劇場をふんだんに用いた立体的な演出、そして随所で活かされる照明技術の見事さときたらもう。骨太な悲劇を彩るに相応しい本格的な舞台です。
 そんな迫力いっぱいのステージで繰り広げられる、役者の演技も鬼気迫るもの。妖艶な姉の三石さん、儚げで芯のある妹の沢城さん、影のある使用人の小西さん、死人ながら生きて恐怖を振りまく井上さんと、主軸は完璧。特に三石さんは、八つ墓村で魅せた清楚な美しさから一転、生足や濡れ場まで披露するエロス全開の艶。素晴らしい御御足お芝居を魅せてくれます。
 沢城さんの表情をはっきり見られたのも僥倖でした。全開は舞台全体を見渡す位置だったので、こんなにも舞台映えする方だったとは。

 ちょっと間抜けな警部をコミカルに演じた辻親八さん、幕間の引き継ぎと終劇の余韻を絶妙に引き立てる、Y先生役の中博史さんも、脇を固める布陣として万全。辻親八さんなど、目をつぶるとマイアミにいるようですよ。あと関さん、ビールっ腹が衣装の上からもはっきり判るように…w

 物語はミステリ的な面白味もさることながら、近親姦による愛憎渦巻く悲劇、人間味あふれる物語を楽しみました。
 椿子爵は本当に死んだのか? 美禰子がこの家の人間と結婚してはいけない理由は? 悪魔の紋章を含めた問題は、丁寧に謎解きの伏線が用意されているので、判りやすいものでしたが、小西さんによる回想と懺悔のシーンは圧巻の一言に尽きます。愛と憎しみの果てにあるもの、快楽と苦しみの間にあるもの、人間の奥底にある美しくも醜い本質を、舞台というもので表現した。そんな舞台をどっぷり浸かり、堪能しました。終演後に「お金掛かるんすよ…」と、関さんが苦笑されていましたが、横溝シリーズはまた是非とも見たいものです。
 あと、もしDVDで見る機会があったら、最初の占いの部屋の後ろをチェックしておきたいところw

Posted by YoGAN - 2010.08.01,Sun
 千秋楽公演をみてきました。マイケル・クーニー作のドタバタコメディに今回も抱腹絶倒。
 物語は、様々な社会保障金を違法に受給していた主人公エリックの元に、監査の役人が訪れるところから始まり、辻褄合わせのために重ねていく嘘がどんどん拡がり、下宿人の友人ノーマンをはじめ、妻や共犯の叔父まで巻き込んだ大騒動へ発展していくもの。
 舞台の上はドリフのコントのようにめまぐるしく、次から次へ展開していくシチュエーションとハプニングに、息をつく間もなく笑いっぱなし。病院からくすねて横流しするマタニティドレスを、密かに見つけた妻はエリックに女装癖があると思い込み、その夫婦はお互いの認識のまま会話を続いたり、耳に障害を持つことにされたノーマンが扉越しに監査人と会話をしてしまったり、脚本の緻密さに驚くばかり。
 そんなドタバタコメディを演じる役者達の演技も喜怒哀楽に富み、舞台の醍醐味を堪能です。架空の兄弟の名前を訪ねられたノーマンが、対面している役者の本名を出して「今、黒い服を来て舞台に出ている(←葬儀屋の役だったw)」と振り回すアドリブもたまりませんでした。
 終演後は立ち上げ以来、演出家として劇団を支えてきた水鳥 鐵夫さんを偲ぶ場面も…謹んでご冥福をお祈りいたします。
Posted by YoGAN - 2010.05.03,Mon
 http://heroq.com/
 映画からテレビへと映像媒体が切り替わり始めた当時、日本初の特撮ドラマを作り上げようというプロデューサーと製作会社を描いた舞台。4回目の上演になりますが、高木渉さん客演とFINALの表記をみて、行かずにはおれませんでした。
 特撮企画「ミラクルZ」をなんとかプロデューサーに理解してもらえるよう、製作会社の面々が寸劇(手作りなヒーローショーのイメージ)を演じる後半の盛り上がりは必至で、素人くささを出すための棒読みや、サイズを計り間違えて舞台に出られないというオチなど、特撮番組の文法とお約束を、味のある昭和テイストでこれでもか!と楽しませてくれますね。なにより銀幕の大女優役を演じる長澤美樹さんの怪演w  「誰だ、ここに大根を植えたのは?」と、大女優の手抜きを揶揄するセリフも懐かしい限り。
 プロデューサーが役者や番組を守るために更迭され、意見をぶつけあって完成した企画は、お蔵入りして、「あんたとだけやるから帰って来い」と監督がプロデューサーに告げて、物語は終わるのですが、最後に「ミラクルZ」の第一話冒頭シーン(それも古さを感じさせる映像)がスクリーンで上映されて終わるのがなんともニクイ。スタッフのクレジットには、更迭されたプロデューサーがいるわけですよ(ノД`;) そして長澤さん演じる大女優は結局出なかったという結末もいいなぁw
 次は横溝正史シリーズ第二弾、豪華客演陣とくるので、是非行きたいところ…夏コミとモロ被りなんですけどね(´・ω・`)
Posted by YoGAN - 2010.02.17,Wed
 http://www.koyamap.com/
 千秋楽みてきました。
 後方、舞台全体を見渡せる位置取りだったので、役者の出入り・ダンスパートなど大変見やすく、いい席でした。…シーンごとの感想を、いちいち口にする客がいなければ。前説で「上演中にネタバレを言わないで」と注意すること自体、あたり前すぎておかしな話だと思うのですが…うーん。

 脚本は、さびれた喫茶店「南風」を営むタチバナ・マリアさん(高乃麗)が入院することになり、マリアさんの4人の娘がアイドルになって喫茶店を盛り立てていこう!というもの。4人がまた画に描いたような個性で、長女はオーソドックスなお姉さん、次女は勉強に真っ直ぐなツンデレ、三女はヤンキー、四女は脳内妄想少女という、判りやすく・美味しい設定。
 彼女たちをアイドルとして売り出すプロデューサーを小山さんが演じるのですが、レッスンコーナーで4人をいじり倒す笑いのパートと、人の心を動かすことの辛さ・すばらしさを訴えていく物語のパートの2本立てで進みます。。

 それぞれ演出・脚本に小山さんの味が出ており、出演者の経歴にある役柄をネタに弄んだり(中村さんの破壊的な歌唱力や、伊瀬茉莉也さんのステージ衣装が黄色だったりw)、浪川先輩の映像出演で盛大に噴かされたり(よもやのメイド服には呼吸が苦しくなるほど笑った)、とにかく笑いの絶えない舞台でした。役に徹している時間と、素に戻る間の行き来も激しくて、演劇ならではの掛け合いが大変におもしろかったです。
 物語で伝えるメッセージも、前回の喝采と相通じるものがあり、演じること・歌うことって、なんて楽しいんだろう!という感動を、舞台を通じて強く訴えていたのが、ビンビン伝わりました。

 個々の出演者にそれぞれ魅力が引き出されており、中村繪里子さんのアイマスネタ、石井真さんの生足など、よく練られているもんです。桜塚やっくんも、ネタに芝居に相当おもしろい人でした。中でも一番驚いたのが下川みくにさんの演技。歌い手としては、以前から知っていた方ですが、お芝居もかなり良かったです。最後のキャスト紹介に「南風」が流れてきたのも巧いなぁ、くそうw

 千秋楽とあって、終演後は涙でボロボロになる方多数(座長含)で、入魂の舞台であったことが改めて伺えます。そして2回目のカーテンコールでは、モモーイの鶴の一声「EAT MEもういっかい聴きたい」で、舞台に全員そろった上での熱唱。これはキタ。最後の最後まで終わってみれば3時間弱。見事なエンターテイメントでありました。
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